男性学について学べる本(思想編)

男性学

本ブログでは男性学について学べる本について紹介します!
今回は入門書や専門書等、思想を学ぶ本に絞ってご紹介します。

男性学とは

皆さんは「男性学」を聞いたことがありますでしょうか。
近年ジェンダー平等が進んでいく中で女性の社会参加や経済自立の広がりが目立ちつつあり男性を取り巻く環境は変化しています。そのような社会情勢の中で、特権的な立場にいる男性から周縁化されてきた男性の「生きづらさ」が浮き彫りになりつつあります。男性学はこのような男性たちの生きづらさを研究にする学問です1
特権的地位にいない男性について考えることはジェンダー平等を考え直すことにつながります。
是非皆さんもこれから紹介する作品を読んで考えてみましょう。

男性学について学べる本(5冊)

1.モテないけど生きてます。苦悩する男たちの当事者研究 by ぼくらの非モテ研究会

名言:男性は自身の弱さを言葉にしない

重要度
読みやすさ

関西を拠点とし非モテについて研究する男性の当事者グループである「ぼくらの非モテ研究会」による書籍です。男性として生きる上での痛みや辛さを実体験を基にして様々な人が語る構成になっています。
本書では非モテ用語として使われる言葉の解説(例えば「女神」とは女性と関わることが少ない環境・人生のなかにに突如現れ声をかけてくれたり優しくしてくれたりする女性のこと)もしてくれるので、用語の知識が付くとともに個人的な出来事がより理解しやすくなりますよ!

2.男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学 by 田中俊之

名言:男性のみなさん、戦いは終わりました。繰り返します、戦いは終わったのです。

重要度
読みやすさ

社会学者の筆者によって男性の生きづらさについて社会的な出来事から分析が行われています。
仕事、結婚、昔との価値観の違い等「男」だけでなく人間が抱える問題についても改めて見つめ直す機会になります。本書ではスラムダンクのキャラクターである小暮君(いわゆる眼鏡君」のような男性がもっと評価されるべきという主張もされます。どのような経緯からそのような主張になるのかはぜひ本書をご覧ください!

3.非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か by 杉田俊介

名言:男たちよ、どうか、自分を殺さないでくれ。何もかもに耐えようとして、沈黙に逃げ込まないでくれ。そしてちゃんと男であることに躓き、失語してくれ。※原文は「ちゃんと」以降の文章に強調あり

重要度
読みやすさ


本書はデータや漫画や社会学的な用語を用いながら男性の弱さについて考察を深めています。新書という形態ということも関係ありますが、読者に話しかけるような文体であるため読みやすいです。
著者の杉田さんは男性性という問題について長年考え続けている方で他にも「マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か #Me Too運動に加われない男たち」という本も書いていますのでぜひそちらも読んでみてください。

4.新しい声を聞くぼくたち by 河野真太郎

重要度
読みやすさ

名言:本書で扱ってきた映画、ドラマ、小説などはどれも「新たな男性性」を学ぶためのテクストなのです。

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名言でも紹介している通り本書は様々な映画、ドラマ、小説、漫画等を通して男性性について考えています。例えばアニメ化が決定した「少年ジャンプ+」で連載中の漫画「怪獣8号」の主人公を通じて現代男性の弱さについて考えています。お堅い専門書になじみがない人でも有名な作品を通しての解説を読む事で男性論についての理解が深まることは間違いないでしょう。

5.世界文学をケアで読み解く by 小川公代

名言:男女どちらかがケア実践の当事者であるという固定化を回避し、女性も男性も「共事者」として関わっていくというビジョンがあるといい。

重要度
読みやすさ
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本書はケアをテーマにした書籍でありますが、男性性の問題が取り扱われています。このことは男性性という問題にとって弱者の視点が重要だということを表しています。世界の文学作品を通してケアについて考えを踏まえる本書を通して、男性の弱さについて考え直すことができるでしょう!

まとめ

男性学について学べる書籍を紹介しました。
「強くて頼りになる」という男のイメージは最近の日本でもマジョリティを占めていると思います。しかしそんな世の中で苦しんでいる男性が多いことも事実です。そのことに対する理解が深まる世の中になるために私も書籍の紹介を通じてお役に立ちたいと思っています!
皆さんも今回紹介した作品を読んで自身の考えを深めてみてください!
また、今回紹介した作品は電子書籍からも読めるのでぜひ下記よりチェックしてください!

  1. モテないけど生きてます。苦悩する男たちの当事者研究  ↩︎

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